クラブミュージック講座 section_06
・ブレイクビーツ(break beats)
元々これはDJが使う、
任意のリズムパターンを最初はターンテーブルで鳴らすタイミングをずらしたり
後の時代ではサンプラーで好きな様に切り貼りして違うリズムパターンとして使う
というリミックステクニック、
もしくはリミックスで使う任意のリズムパターンそのものの事です。
そこから生み出されるリズムパターンは無数で、
(ジャンルによってある程度定型パターンはありますが。)
90年代後半辺りから(発祥は80年代?)
あらゆるジャンルに登場して流行している複雑なビートパターンは、
全てこの手法を用いているかそれを真似て作られた物になっています。
その一種生物的なパターンはミニマルテクノ等に見られる無機質なビートとは
一線を隔す物があり、瞬く間に世界に広がって今日に至ります。
ジャンルとして使われる場合は、
ジャングルやドラムンベース等の
ブレイクビーツを主体としたジャンル全てを指す場合と、
固定化したジャンルに入れにくい内容ではあるけど
ブレイクビーツを主体としている音楽を限定的に指す場合の二種類があります。
・ジャングル(jungle)
一見何の関係も無い様に見えて実はレゲエを発祥とするジャンルで、
元々テンポが遅いレゲエにその倍速のテンポのリズムをスパイスとして
ブレイクビーツで盛り込んだのがこのジャンルの始まりの様です。
beatmaniaのレゲエでも入っているので解り易いでしょう。
そのリズムがほとんど曲全体に及んでレゲエっぽさが薄まったのがこれ。
とにかく高速で複雑、且つ再生速度を上げてあるので比較的軽い音の
リズムパターンを基調に、レゲエ的なゆっくりした伴奏やベースを乗せるという、
90年代前半発祥の比較的新しい音楽形態です。
その独特のノリは着々と発展して、現在も一つの主流として成り立っています。
また、発祥が様々な要素のごちゃ混ぜであるためと、
あまりに斬新で多彩なその曲調とリズム感のためか、
初期の頃から白人と黒人が入り混じって踊れたという珍しいジャンルでもあります。
曲調には結構いろいろあって、レゲエの流れを汲んでいる物は当然、
ブレイクビーツというものがあらゆる音楽をサンプリングして録り込む物なので
ロックやジャズ、クラシック、インドやアフリカ、ラテンの民族音楽など、
まさに何でも有りです。
一時小室哲哉氏もハマって、ダウンタウンの浜田氏とユニットを組んでいたのは
記憶に残っている人も多い事でしょう。
あれもかなり聞き易くしている所は小室氏の巧い所ですが結構ジャングルです。
・ドラムンベース(drum'n bass)
ジャングルが名前の通り
徐々にドラムとベースに特化して発展していった物の果てがこれ。
途中にラガ・ジャングルというジャンルに変遷した経緯を挟んでいますが、
かなり流動的で明確な差が無いので説明は省いておきます。
とにかくより高速で複雑なジャングルビートと
ほとんど音階の無いブンブン言うだけの超低音ベースパターンを強調していて、
他の要素はオマケどころか、この二つだけで構成されている曲も珍しくありません。
ただ、元々自由度の高いジャンルなので曲調でかなりの派生ができています。
大きく分けると
ジャズの要素を強く取り入れてアシッドジャズ等と融合していった物、
ロック物、フュージョン物、トランスに近い物、民族音楽物、
ひたすらドラムとベースだけのストイックな物という感じでしょうか。
ただこの辺りに個別に名前は無くただドラムンベースとして括られていて、
明確に確立された別ジャンルなのは後述のアートコアだけです。
なお、日本に於いてドラムンバスと呼ぶのは誤りか英語かぶれです。
ムンベと略すのは、私自身も前から言ってたのでアリだと思います。
・ドリルンベース(drill'n bass)
スクウェア・プッシャー氏が始めた
あまりにも連打が速すぎてドリルの様な「ガー」とか「ドー」としか聞こえない
ドラムが入っているドラムンベースの事をこう呼ぶのですが、
おそらく日本だけの呼び方です。
D4プリンセスとは無関係です(ぉ。
・アートコア(art core)
ドラムンベースの派生ジャンルで、
そのビート感はそのままに綺麗なコードやメロディを当てはめた代物です。
あまりに変遷し過ぎてジャングルビートらしき物が使われている事以外
ほとんどドラムンベースのテイストが失われている事がありますが、
言うなればエピックドラムンベースと言った存在ですね。
(注:こう呼ばれる事はありません。)
beatmaniaの「Deep Clear Eyes」、ⅡDX 3rdStyleの「era」等はこれに当たります。
・ヒップホップ(hip hop)
ニューヨークの主にスラム系黒人ストリートミュージシャン達の手から生まれた
ほとんど音階を持たずリズムのみを強調したラップと呼ばれる独特の歌い方と
大抵BPM100以下の遅くケダるく重たいリズムを基調とする音楽です。
(当然貧しい土壌で育った彼らは元々はシンセなどは使っておらず、
主にその辺にある物を叩いてリズムを取っていました。)
これがだんだんクラブに持ち込まれて
ターンテーブルによるブレイクビーツが入り込んだりして、
徐々に発展していった様です。
発祥年代は良く判りません。80年代にはもうあった様です。
ちなみにラップは必ず入っているかというとそうでもなく、
最近になれば特にMIXMASTER MIKE氏の曲等に代表される
驚異的なスクラッチテクニックを全面に押し出した物もあり、
ノイジーでダルい独特のビートが使われた曲を
ヒップホップと呼びます。
日本でも90年代にだんだん認知され、
最初はなんじゃこりゃーという曲も多かったのですが、
最近はハッキリとジャパニーズヒップホップという物の形ができあがってきて
かなり楽しめる物が多くなりました。
慣れただけ?
いえいえ、初期の物と今の物を比べれば明らかな差があります。
・トリップホップ(trip hop)
ヒップホップの派生ジャンルで、
そのビート感はそのままにアンビエントの様なもやもやしたコードを鳴らし、
ますますダウナー系の要素を強めたのがこれ。
イマイチ認知度の低いジャンルですがそれゆえか自分の大好物で、
割と最近の自分の作る曲は狙っても狙わなくてもこんな感じになります。
このジャンル、もうやろうと思えばどこまでも堕ちる様な曲になるので。
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