月見酒(MINT's World)

準備篇

近頃アーシングという車のチューンアップが流行と聞き、うちのゼルビスでも試してみる事にしました。 アーシングとはバッサリ簡単に言うと「アース配線に標準よりも良い線を使って電気の流れを良くする」という改良です。 具体的には「電気が良く集まる場所のボディアースからバッテリーの-端子へ短絡的に電線を繋げる」のです。 ガソリン車は、強力な電流で起こす火花でエンジンを動かしていますから、より良く電気が流れる様になればエンジンは快調になる訳です。 また四輪車ではカーオーディオの音質を良くするという狙いでも行われています。 (オーディオも、電気で音を伝える電装品だからです。)

用意する物以下の通り。

最低 100℃以上耐熱仕様の太い電線 4、5m

電材屋等で入手。最近は大型の車用品店でも入手できます。 太い程電気が良く通りますがあまり太過ぎると加工が難しくなるので 2輪の場合は 5.5sq(10ga)の規格の物が作業が楽。 自分は一回り太い 8sq(8ga)の線を使っていますが、それ相応に苦労します。 導通の良さだけ見れば高級オーディオケーブルの方が優れていますが耐久性や許容電流量の面で不安があるのでオススメできません。

圧着端子

適当なネジに共締めして使う端子です。 売っている場所は同じ。 電線の太さと共締めするネジの太さに合った物をあらかじめ計画を立てて数を用意します。 銅剥き出し < スズメッキ < 金メッキ(カーオーディオ用)となる程導電性も耐久性も値段も上がりますが、2輪の場合外気にさらすので金メッキの物が良いと思います。 またオーディオ用は大抵最初から端子カバーが付いているのでお得です。

圧着ペンチ

他に先端で強く力が加えられる工具があれば代用できるのですが、専用の物があった方が確実に端子をカシめられるので安心です。 別に高価な物でなくて結構です。500円〜。

タイラップ等のケーブルを束ねるアイテム

ホームセンター等で入手。 ワイヤリングは車種によって、また同じ車種によっても行うポイントによって違うので予め自分はどのぐらい必要か十分計画を練っておきましょう。

バッテリーの端子と同じ太さで少し長いネジ

ホームセンター等で入手。 アーシングは場所が増える程バッテリー部分に配線が集中するので終いには最初からあるネジではストロークが足りなくて固定できなくなる事がありますので、必要に応じて用意しておきましょう。 あまり長過ぎると他に干渉しかねませんのでよく考えて。 2輪のバッテリー回りは非常に陜いので 4輪の様にほとんど無尽蔵に端子を分岐させる事もできません。 別の場所で束ねてからバッテリーに結線すると言った工夫が必要です。

ホームセンター等で入手。 共締めの際にこれでその部分だけ塗装を落とし、金属を剥き出しにしてより良い導通を確保します。

接点復活剤

あればで OK。カシメ部分や共締めする場所に撒布します。 もし使うのであれば洗滌するだけの物ではなく炭素粒子等で導通を補助する物でないとダメです。 もちろん洗滌も必要ですがパーツクリーナーで OK です。

あとは、最低でもタンクの取り外しができる腕と知識と工具が必要です。

ちなみに上記は自作する場合の話で、最近は車種別のキット品が出ていますから、対象の商品がある場合はそれを使えば話はもっと簡単になります。 その場合は取扱説明書と挌鬪しましょう。

実践篇

アーシングの結線をする場所は前述の通り電気の集中する場所ですが具体的に特に重要なのは、

  • シリンダーヘッド(プラグ付近)
  • スパークユニット
  • AC ジェネレーター
  • セルモーター
  • 純正アース線

の 6箇所。 ヘッドライトは、バイクではあまり効果がないと謂われています。 また、他の様にボルトから取るのではなく配線をバラして線を繋ぎ変える事になるので面倒です。 ラジエーターの強制空冷ファンは意味が薄いので却下。 また重要とした 6箇所でも、スパークユニットへのアーシングは、使用しているプラグコード(特にノロジー化)によっては相性が良くないという話があります。 オーディオ関連は多くの 2輪には関係無し。

この基本から導き出したうちのアーシングポイントは「前シリンダ」→「後シリンダ」で 1本、「セルモーター」→「AC ジェネレーター」→「イグナイタのアース」で 1本、という 2本のルート。 1箇所に付き 1本づつスター状に繋いだ方がより良いのですが 3本以上繋げる程バッテリー回りに隙間が無いのでこれに決めました。 スパークユニットはノロジー化するので見送りです。

後はタンクを外して、ケーブルを切って端子をカシめ、所定の位置に結線していくだけ…ですが、この作業は結構大変です。 ゼルビスはまだあっさりした構造なので楽な方かと思いますが、並列 4気筒でフルカウルの大型車ともなればくれぐれもアーシングは十分計画を立てて行いましょう。 ゼルビスの場合、結線位置は剥き出しの場所ばかりですが、配線はサイドカバー裏やラジエーターリザーブタンクの裏等を駆使する必要がありますし、別にうちの様に 8sq の太線でなくてもバッテリーケースの縁を適宜削って穴を大きくしてやらないと線を通せません。

さて、後は効果を実践するのみ。 早速エンジンを掛けてみると、セルは普通。走りの変化も疑問符付き。 しかしハッキリ出たのは燃費。 毎回ほとんど同じ値が出るのに 1km/ℓ程伸びているので薄っすらと効果があったものと思われます。 まあ労力(丸 1日かかりっきり)のワリには派手な効果は無かったというのが正直な感想ですね。

アーシングはより設計の古い車種の方が効果が大きい事が多く、車体のアースに問題が無ければ体感する程の効果が全く無い事もありますが、よっぽどトンチンカンな配線をしなければどこかがネガになる様なデメリットが無いのが特徴です。 またより大電流を必要とする車種程効果が出やすい傾向にもあるので、日曜大工の様なつもりで一度試すのもおもしろいと思います。

2001年7月31日
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