こんな車体バランスなので予想が付くと思いますが、動きは 250cc としては少々鈍重です。 いや、鈍重というよりは独特と言いましょうか。 構成上から想像される位置以上に重心が高いため(感覚的にはキャブレター辺りとすら感じる)、ポピュラーな並列マルチエンジン車の重心とは全く違っています。 これは、派手な運転をしようとする程操作方法の違いとなって表れて来ます。
まず、重みと軸距の長さに依って直進安定性が優れています。 カウルもあるので、高速道路の巡航性能は 250cc としては良好。 タイヤが細く重心が高いと云う点は直進安定性を殺す方向なので過信は禁物ですが、メンテナンスが行き届いていれば限界速度でハンドルが大きくブレる事はありません。
また、ハンドルの切れ角が 35°と大きい事に加えてトレール量がオンロード車の中ではかなり長い方で、基本的にバンク操作よりもハンドル操作を積極的に使うターン方法が有効です。 これは低速での小回りの必要な場面では強力。 高い重心を利用してフラッと倒れる様な曲げ方も可能で、かなり乗り手次第でどうとでも化けてくれます。 倒し込みでずしっと来る感触がありますが、これはゼルビス特有という訳ではなく V型エンジンの特徴です。 ただ、倒し込みに重みがあるのにアンダーパワーであり、サスペンションが非常に柔らかい設定で積極的な荷重操作への機敏な反応をしないので、車体なりの乗り方をしない場合は少々苦しむ事になります。 特に高速コーナリングになると、サスペンションが反応し過ぎて安定感を失います。