一見ドゥカティの「MONSTER」風味だけど、それよりも小ぶりでやや丸いデザインで、そこから通称「ポケットモンスター」等と呼ばれる事もある「ゼルビス」の兄弟車種。 低コスト化と乗り易さを追求した買い易いバイクです。
当初、私自身も購入を検討していました。 しかし、後になって思えば、自分のニーズを満たさない部分がポツポツ見られます。
低コスト化を推進した設計なので仕方が無い面も有るのですが、どこか使い勝手の悪さを感じてしまいます。 ハンドルが遠いのも、大柄なライダー程違和感を覚える設定になっています。 基本的に長距離を捨てて雰囲気と小柄なライダーへの配慮を取った感じでしょうか。
ただ、走行フィーリングは優れており、馬力の数値自体は低いのですが、
等、特にサスペンションの性能に関しては、抜けた車体しか残ってない「ゼルビス」乗りからすると羨ましい限り。 ライトな用途で淡々と乗るにはベストのセッティングです。 その軽さと猫足っぷりがジムカーナ用途としても人気。 ギアが全体的にハイギアードである点は燃費の良さにも貢献しており、狙って乗れば 30km/ℓ も簡単に出せます。
爆発的に売れている訳ではありませんが、現在の業界の状態では他に選択肢の無い人がコツコツと買っていくため、販売年数が伸びるに従ってわりと見掛ける様になっています。 また、各々が違うコンセプトで巧くまとめたカスタムを施している事が多いのも特徴で、淡白であることが一方で解釈や変更の余地が有るとも言えるパッケージングなのでしょう。 スモールスクリーンの取り付けは定番中の定番ですが、塗装が変わっていたり、ちょこちょこ小物が付いていたり、はたまたリアショックユニットがリプレイス品でタイヤチョイスにも普通ではない物等いろいろなパターンの車輛が在ります。
2007年からの排ガス規制強化で、ラインナップから落ちました。
排ガス規制強化で御破算になっていた 250cc クラスのオンロードスポーツ車輛を、二輪車トップメーカーとしてカワサキ「Ninja250R」だけに席巻される訳にも行かないと思ったかどうかは知りませんが、「VTR250」のフルモデルチェンジ版が 2009年3月から市場に投入される事になりました。
流用する所はしっかり流用しつつ、アピールし易いポイントにはちゃんと手を入れた、非常に順当なモデルチェンジとなっています。
この様に、インジェクション化、使い勝手の強化、デザイン変更と、大きく梃入れされています。 特にデザインにはっきりと「Ninja250R」との違いが打ち出されて、ほとんど上がらないテールラインは一種トラディショナルな趣すら有り、公道でも適度に目立つ感じなので、浮いていた層の心をしっかり掴みそうです。
経済情勢から見てどうなるかは未知数な所も有りますが、良い所に着地していると思います。
インジェクション化されたことで、出力特性はかなり変わりました。 初速のツキを車重の軽さで持って行く所は変わっていませんが、5,000 〜 7,000 rpm の強化ははっきりしており、普段使いでの走行感は向上しています。
重量配分とサスペンションも変わっており、旧世代よりもリアのふわふわ感が幾分減って、まだかなり柔らかい方ではありますが少ししっとりした感触に変わっています。 突っ込みにも強くなったので、トータルで考えれば三代目のセッティングの方が完成度が高まりました。
走行感全体では、全面的に良くなったと考えて間違いありません。
気になるのが乗車姿勢で、さらに低いシート高になり、その上でシート下収納の拡張を行ったためか、シートの前側を極端に抉り取った様な傾斜の有る形状になっており、設計で想定しているよりも大柄な男性には窮屈過ぎる様になってきています。 ステップとシートが近過ぎて膝が曲がり過ぎてしまい、それでいてハンドルも小さめの体躯を想定して低めに設定されているため、身長 177cm の自分ではこの車体が要求する姿勢を素直に取ると「Ninja250R」よりもレーシーな感じになってしまいます。
購入を検討する場合、普通とは違って、体躯に恵まれている人の方が個別に十分調整する必要が有るでしょう。
| 年式 | 2000年 | 2009年 |
|---|---|---|
| 型式 | BA-MC33 | JBK-MC33 |
| 全長 | 2,040mm | 2,080mm |
| 全幅 | 720mm | 725mm |
| 全高 | 1,050mm | 1,055mm |
| 軸距 | 1,410mm | 1,405mm |
| 最低地上高 | 170mm | 155mm |
| シート高 | 780mm | 760mm |
| 車輛重量 | 154kg | 161kg |
| 乾燥重量 | 140kg | - |
| 乗員定員 | 2人 | |
| 燃料消費効率 | 40.0km/ℓ(60km/h 定地走行テスト値) | |
| 最小回転半径 | 2.7m | |
| エンジン型式 | MC15E | |
| エンジン種類 | 水冷4サイクルDOHC4バルブ90度V型2気筒横置き | |
| 総排気量 | 249cc | |
| 内径×行程 | 60.0mm × 44.1mm | |
| 圧縮比 | 11.0 | |
| 最大出力 | 32ps(23.5kW)/ 10,500rpm | 30ps(22kW)/ 10,500rpm |
| 最大トルク | 2.4kgf·m(23.5N·m)/ 8,500rpm | 2.2kgf·m(22N·m)/ 8,500rpm |
| 燃料供給方式 | 機械式 | 電子制御燃料噴射式(PGM-FI) |
| キャブレター型式 | VD10 | - |
| 始動方式 | セルフ式 | |
| 点火装置方式 | フルトランジスタ式バッテリー点火 | |
| 潤滑方式 | 圧送飛沫併用式 | |
| 潤滑油容量 | 2.4ℓ | |
| 燃料タンク容量 | 13.0ℓ | 12.0ℓ |
| クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング | |
| 変速機形式 | 常時噛合式 5段リターン | |
| 変速比 1速 | 2.733 | |
| 変速比 2速 | 1.800 | |
| 変速比 3速 | 1.375 | |
| 変速比 4速 | 1.111 | |
| 変速比 5速 | 0.965 | |
| 減速比(一次 / 二次) | 2.821 / 2.928 | |
| キャスター角 | 25°30′ | |
| トレール量 | 98mm | 96mm |
| タイヤ(前) | 110 / 70-17(54H) | |
| タイヤ(後) | 140 / 70-17(66H) | |
| ブレーキ形式(前) | 油圧式 S ディスク(⌀296mm) | |
| ブレーキ形式(後) | 油圧式 S ディスク(⌀220mm) | |
| 懸架方式(前) | テレスコピック式(正立・インナーチューブ⌀41mm・ストローク 130mm) | |
| 懸架方式(後) | スイングアーム式・ショックアブソーバ 1本 | |
| フレーム形式 | ダイヤモンドトラスト(ピボットレス) | |
| バッテリー電圧 | 12V | |
| 前照灯 | H4型12V 60 / 55W | |
| 発売日 | 1998年1月16日 | 2009年3月6日 |
| メーカー希望小売価格 | 439,000円 | 556,500円〜 |