月見酒(MINT's World)

一代目・二代目について

ポケモン(禁句)

一見ドゥカティの「MONSTER」風味だけど、それよりも小ぶりでやや丸いデザインで、そこから通称「ポケットモンスター」等と呼ばれる事もある「ゼルビス」の兄弟車種。 低コスト化と乗り易さを追求した買い易いバイクです。

当初、私自身も購入を検討していました。 しかし、後になって思えば、自分のニーズを満たさない部分がポツポツ見られます。

  • 5段変速で、シフトショックも大きい。
  • 2002年式以前はタコメーターが無い。
  • 荷掛けが前側 2個だけで、後側はフェンダーやカウルに引っ掛けねばならない。
  • シートがテールカウルごとガッポリ外れる(通称「ガンダムシールド」)
  • センタースタンド無し(後付けも不可)

低コスト化を推進した設計なので仕方が無い面も有るのですが、どこか使い勝手の悪さを感じてしまいます。 ハンドルが遠いのも、大柄なライダー程違和感を覚える設定になっています。 基本的に長距離を捨てて雰囲気と小柄なライダーへの配慮を取った感じでしょうか。

ただ、走行フィーリングは優れており、馬力の数値自体は低いのですが、

  • 車体の軽さ
  • 広いトルクバンド
  • それに合わせた適切なギア比
  • 極めてよく動くサスペンション
  • 太過ぎないタイヤ

等、特にサスペンションの性能に関しては、抜けた車体しか残ってない「ゼルビス」乗りからすると羨ましい限り。 ライトな用途で淡々と乗るにはベストのセッティングです。 その軽さと猫足っぷりがジムカーナ用途としても人気。 ギアが全体的にハイギアードである点は燃費の良さにも貢献しており、狙って乗れば 30km/ℓ も簡単に出せます。

爆発的に売れている訳ではありませんが、現在の業界の状態では他に選択肢の無い人がコツコツと買っていくため、販売年数が伸びるに従ってわりと見掛ける様になっています。 また、各々が違うコンセプトで巧くまとめたカスタムを施している事が多いのも特徴で、淡白であることが一方で解釈や変更の余地が有るとも言えるパッケージングなのでしょう。 スモールスクリーンの取り付けは定番中の定番ですが、塗装が変わっていたり、ちょこちょこ小物が付いていたり、はたまたリアショックユニットがリプレイス品でタイヤチョイスにも普通ではない物等いろいろなパターンの車輛が在ります。

追記(2008年吉日)

2007年からの排ガス規制強化で、ラインナップから落ちました。

追記(2008年10月3日)

大阪のバイクショップ M-Style により、スーパースポーツスタイル化した「VTR250RR」と云うカスタムコンプリート車が在るそうです。

三代目について(2010年5月7日)

順当なモデルチェンジ

排ガス規制強化で御破算になっていた 250cc クラスのオンロードスポーツ車輛を、二輪車トップメーカーとしてカワサキ「Ninja250R」だけに席巻される訳にも行かないと思ったかどうかは知りませんが、「VTR250」のフルモデルチェンジ版が 2009年3月から市場に投入される事になりました。

流用する所はしっかり流用しつつ、アピールし易いポイントにはちゃんと手を入れた、非常に順当なモデルチェンジとなっています。

  • デザインを現代風にリファイン。タンク回りをツートンカラーにしたり、シャープラインをテールカウルに配して、ショートテール突き出しフェンダー化。現行のトレンドに乗せつつ、珍しくホンダにしてはやり過ぎ感を確実に抑えている。
  • 燃料供給方式を、キャブレターから PGM-FI に変更。 スペック上の燃費に変化は無いが、認定を通すために、おそらく「Ninja250R」同様に加速時がかなり稀薄な設定になっていると推測。
  • キャタライザーなどに因る重量増、タンク形状見直しでの燃料容量減、出力もさらに目減り。
  • モノ式のリアショックユニットでありながら、その後ろを脇から丸見えな程大胆に掘り下げてシート下スペースを確保。 サスペンションを前に傾けた分で、シート高を下げた?
  • 普通にシートだけが外れる様にし、ガンダムシールドを廃止。
  • テールカウルから直接伸びる荷掛けフックを 4個装備。
  • オプションパーツにリアキャリアやビキニカウルなどを用意。ただ、これらのデザインについては正直言って今一つ。リアキャリアは実用性の塊っぽい。
  • フレームとエンジン本体(カムより下)にはほとんど手が入っていないと思われる。

この様に、インジェクション化、使い勝手の強化、デザイン変更と、大きく梃入れされています。 特にデザインにはっきりと「Ninja250R」との違いが打ち出されて、ほとんど上がらないテールラインは一種トラディショナルな趣すら有り、公道でも適度に目立つ感じなので、浮いていた層の心をしっかり掴みそうです。

経済情勢から見てどうなるかは未知数な所も有りますが、良い所に着地していると思います。

走行感も多少変わった

インジェクション化されたことで、出力特性はかなり変わりました。 初速のツキを車重の軽さで持って行く所は変わっていませんが、5,000 〜 7,000 rpm の強化ははっきりしており、普段使いでの走行感は向上しています。

重量配分とサスペンションも変わっており、旧世代よりもリアのふわふわ感が幾分減って、まだかなり柔らかい方ではありますが少ししっとりした感触に変わっています。 突っ込みにも強くなったので、トータルで考えれば三代目のセッティングの方が完成度が高まりました。

走行感全体では、全面的に良くなったと考えて間違いありません。

ちょっと気になる乗車姿勢

気になるのが乗車姿勢で、さらに低いシート高になり、その上でシート下収納の拡張を行ったためか、シートの前側を極端に抉り取った様な傾斜の有る形状になっており、設計で想定しているよりも大柄な男性には窮屈過ぎる様になってきています。 ステップとシートが近過ぎて膝が曲がり過ぎてしまい、それでいてハンドルも小さめの体躯を想定して低めに設定されているため、身長 177cm の自分ではこの車体が要求する姿勢を素直に取ると「Ninja250R」よりもレーシーな感じになってしまいます。

購入を検討する場合、普通とは違って、体躯に恵まれている人の方が個別に十分調整する必要が有るでしょう。

主な諸元(国内仕様 2000・2009年式)

年式2000年2009年
型式BA-MC33JBK-MC33
全長2,040mm2,080mm
全幅720mm725mm
全高1,050mm1,055mm
軸距1,410mm1,405mm
最低地上高170mm155mm
シート高780mm760mm
車輛重量154kg161kg
乾燥重量140kg-
乗員定員2人
燃料消費効率40.0km/ℓ(60km/h 定地走行テスト値)
最小回転半径2.7m
エンジン型式MC15E
エンジン種類水冷4サイクルDOHC4バルブ90度V型2気筒横置き
総排気量249cc
内径×行程60.0mm × 44.1mm
圧縮比11.0
最大出力32ps(23.5kW)/ 10,500rpm30ps(22kW)/ 10,500rpm
最大トルク2.4kgf·m(23.5N·m)/ 8,500rpm2.2kgf·m(22N·m)/ 8,500rpm
燃料供給方式機械式電子制御燃料噴射式(PGM-FI
キャブレター型式VD10-
始動方式セルフ式
点火装置方式フルトランジスタ式バッテリー点火
潤滑方式圧送飛沫併用式
潤滑油容量2.4ℓ
燃料タンク容量13.0ℓ12.0ℓ
クラッチ形式湿式多板コイルスプリング
変速機形式常時噛合式 5段リターン
変速比 1速2.733
変速比 2速1.800
変速比 3速1.375
変速比 4速1.111
変速比 5速0.965
減速比(一次 / 二次)2.821 / 2.928
キャスター角25°30
トレール量98mm96mm
タイヤ(前)110 / 70-1754H
タイヤ(後)140 / 70-1766H
ブレーキ形式(前)油圧式 S ディスク(296mm
ブレーキ形式(後)油圧式 S ディスク(220mm
懸架方式(前)テレスコピック式(正立・インナーチューブ41mm・ストローク 130mm
懸架方式(後)スイングアーム式・ショックアブソーバ 1本
フレーム形式ダイヤモンドトラスト(ピボットレス)
バッテリー電圧12V
前照灯H4型12V 60 / 55W
発売日1998年1月16日2009年3月6日
メーカー希望小売価格439,000円556,500円〜
2010年5月7日
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