2002年に登場した輸出向けアルプスローダー系デュアルパーパス車輛です。 排気量違いで「DL650」と「DL1000」に大きく分かれ、ABS やオプション類の有無で多少バリエーションが在り、エンジンはそれぞれ「SV650」「TL1000」のセッティング違いであり、兄弟車と云う事になります。 「XF650 Freewind」の転生とも捉えられるでしょう。
アルプスローダー系の中でややオンロード色の強い位置付けで、アップマフラーでブロックパターン付きタイヤを履くものの、キャストホイールでサスペンションのセッティングは中間的と、BMW「F 650 GS」やホンダ「XL1000V Varadero(バラデロ)」に近い構成です。 造りはかなりがっしりしており、長さも幅もかなり大柄。 フロントマスクは吊り目二眼で、やや凝集された感じになっています。
エンジンとフレームの盛り自体は少ないので、数値的にはさほど重くないのですが、ゆったりしている代わりに動きがかなり重そうに見えます。 特にホイールベースが異様とも言える程長く、ヤマハ「FJR1300AS」辺りと同じレベルで、車体の長さを考えてもあまり小回りを必要とする使い方をすると困りそう。 完全な旅向けのバイクと言えそうです。
日本国内ではレア車輛であり、試乗車は無く探し回って跨っただけの感想ですが、サスペンションが適度に柔らかく、シートが高くてもよく沈み込むので酷い足付きではない様子。 177cm 60kg で両足を下ろすと、踵が 1cm 足りない感じです。
このサスペンションの御陰で楽に乗れそうですが、さらに良かったのがポジション。
ハンドルがやや広過ぎますが、ステップとハンドルの位置関係はほぼ私の理想的で、タンクにも挟んでいて痛い部分は皆無です。
前寄りのステップ位置のために、停まった時にステップの前後どちらに足を下ろそうか少し迷ってしまうのですが、慣れで何とか解決するしかないでしょう。 私の場合は、まだ長さに余裕のある脚を使って斜め前に置くのが合いそうでした。
また、スクリーンの高さ調整が可能です。
![]()
調整にボルトの付け外しが必要なので、いつでも切り替えられる訳ではありませんが、可能なだけでもかなり便利です。
「DL1000」はナックルガードを標準装備しているので、耐寒性能は抜群ではないでしょうか。
まずまず良くできています。
エラの張ったカウル部分に何もスペースが無いのは残念ですが、シート下には割合広いスペースが確保されており、さらにテールカウル裏にも隠しスペースが有ります。
![]()
この上リアキャリアを標準装備おり、リアシートとの繋がりは滑らかです。
ビリオンステップにフックが有るものの、リアシート周辺にはそれらは無く、フェンダーが長くてナンバープレートとキャリアが離れていて追加フックが用を成さないかもしれないので、フックを多用した豪快な積み方が難しくなっていますが、何とかかんとかやればいろいろやり方は有りそう。
左右の振り分け積載は、マフラーがアップタイプなので、サイドバッグよりはパニアケース向けです。
![]()
ハンドルミラーはオフロード車風のままなので、確実な後方確認のためには広い物に取り替えたい所です。
「DL650」について相当頭を悩ませました。
エンジンスペックは望む物でしょうし、乗り心地は良さそうで、重くて乗りこなせない事も無さそう。
使い勝手も妥協範囲内です。
さらに、メーター回りに拘りたい私も納得のメーター回り。
![]()
やや眼がキツいと思っていたデザインも、2009年式の白(パールミラージュホワイト)のカラーリングで評価が逆転し、これでほぼ条件は満たされた様に感じられました。
しかし、「FJR1300A」を縮めた「FJR600A」なんて物も望んでいた私としては、「ゼルビス」のメリットすらも完全に上書きしてしまいそうなこの車に乗ると、「ある種の終着駅に行き着いてしまうのではないか?」と云う思いが浮かんできて、逆に「今これに乗るのは時期早々ではないのか?」と考えてしまいました。
物理的な問題として、あまりにエラが張りすぎていて頭が重いので、
という、乗り越え様と思えば何とかならなくもない点も有りますが、これもブレーキとなりました。 これで取り回し上はせめて BME「F 650 S」程度であれば、あっさり Go サインが掛かっていたかもしれません。
何らかのきっかけ次第で、中古経由で飛び移りそうな可能性を祕めている車種です。
英語読みでは「ブイストーム」ですが、公式にはドイツやイタリアなどでの読み方である「ブイストローム」が正式となっています。 販売店でも結構「ストーム」と呼ばれていたりします。
| DL650 | DL1000 | |
|---|---|---|
| 全長 | 2,290mm | 2,295mm |
| 全幅 | 840mm | 910mm |
| 全高 | 1,390 〜 1,450mm | 1,395mm |
| 軸距 | 1,555mm | 1,535mm |
| 最低地上高 | 165mm | |
| シート高 | 820mm | 840mm |
| 車輛重量 | 217kg | 236kg |
| 乾燥重量 | 197kg | 208kg |
| 乗員定員 | 2人 | |
| エンジン種類 | 水冷4サイクルDOHC4バルブ90度V型2気筒横置き | |
| 総排気量 | 645cc | 996cc |
| 内径×行程 | 81.0mm × 62.6mm | 98.0mm × 66.0mm |
| 圧縮比 | 11.5 | 11.3 |
| 最大出力 | 66ps(49kW)/ 8,800rpm | 98ps(72kW)/ 7,600rpm |
| 最大トルク | 6.1kgf·m(60N·m)/ 6,400rpm | ? |
| 点火方式 | ツインスパーク・イリジウムプラグ | - |
| 燃料供給装置形式 | 電子制御燃料噴射式 | |
| 始動方式 | セルフ式 | |
| 燃料タンク容量 | 22ℓ(リザーブ 2.3ℓ) | 22.0ℓ |
| 潤滑油容量 | 3.1ℓ | 3.3ℓ |
| クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング | |
| 変速機形式 | 常時噛合式 6段リターン | |
| 変速比 1速 | 2.461 | 3.000 |
| 変速比 2速 | 1.777 | 1.933 |
| 変速比 3速 | 1.380 | 1.500 |
| 変速比 4速 | 1.125 | 1.227 |
| 変速比 5速 | 0.961 | 1.086 |
| 変速比 6速 | 0.851 | 0.913 |
| 減速比(1次 / 2次) | 2.088 / 3.133 | 1.838 / 2.411 |
| ドライブチェーン | サイズ 525 / 118コマ | サイズ 525 / 112コマ |
| スプロケット | 前 15T / 後 47T | 前 17T / 後 41T |
| 懸架方式(前) | テレスコピック式(正立・インナーチューブ⌀43mm・ストローク 150mm) | テレスコピック式(正立・ストローク 160mm) |
| キャスター角 | 26° | 26°30′ |
| トレール量 | 110mm | 111mm |
| ハンドル切れ角 | 左右 40° | ? |
| 懸架方式(後) | スイングアーム式・リンク式ショックアブソーバ 1本(ストローク 150mm) | スイングアーム式・リンク式ショックアブソーバ 1本(ストローク 159mm) |
| タイヤ(前) | 110 / 80R19(59H) | |
| タイヤ(後) | 150 / 60R17(69H) | |
| ブレーキ形式(前) | 油圧式 W ディスク(⌀310mm) | |
| ブレーキ形式(後) | 油圧式 S ディスク(⌀260mm) | |
| フレーム形式 | ダイヤモンド | |
| 発売日 | 2003年 | 2002年 |
| メーカー希望小売価格 | 966,000円(税込) | 1,071,000円(税込) |