車を運転する人の視点から見た、平成の大合併と呼ばれる行政区画の最適化で起きた弊害の一つに、行き先案内標識に記されている地名が分かり難くなった場所が在る事が挙げられます。
そもそも道路標識に表示する行き先案内については、以下の記事に依ると
国土交通省道路局に聞いてみると、「基本的に目標値としては、あらかじめ定められている重要地・主要地などが表示されます」 実は都道府県ごとに表示する地名が決められており、国土交通省道路局のサイト内の『表示地名一覧表』でも確認できる。
とのこと。 この基準も合併に伴って整理変更されてしまい、それに従って旧地名の標識も新地名に統合された結果、行き先表示が大雑把過ぎる場所が生まれてしまった訳です。 特に今回の合併は、以前にも増して巨大な行政区画や元々大きな市同士の合併が多数生まれたため、この傾向に拍車が掛かってしまいました。
細かい例は幾らでも出てくるのですが、大きな例として
辺りでしょうか。 兵庫県も南東部を除く全域に渡って、生野・社・神崎・氷上・和田山・村岡などと云った旧地名が見当たらなくなって、なかなかに凶悪です。 せめて旧地名が何らかの形で残っている場所の行き先表示ぐらいは残して欲しい所ですが、本当に消滅した場所については地図からも読み取れないのでさらに重篤です。 鉄道駅が手掛かりになる場合も有るのですが、廃線化された地域は気付く事すら難しい事も…。
一方、そうでもない例に北九州市が在り、
と、この地域としてはかなり大きな市が豪快に合併した中、旧市の区分は主要地基準として残されているので(小倉北、小倉南、八幡西、八幡東の表記は分かり辛いですが…)、さほど酷い混乱には至りません。 むしろ若松などが地図では強く記載されていないので、地図の読み取りの方が難しい事が問題になるタイプと言えます。
この辺り、無下に書き換えてしまわずに、柔軟に対応して貰いたい物です。 掛け接ぎで旧地名が上書きされている標識を見る度に、少し残念になります。
本件とは直接関係無いのですが、行き先表示の訳が分からなくなった例として、2009年9月に岩手県北上市南西部の水田地帯で遭遇した「金ケ崎」への表示が有ります。
近辺の県道を走ると、行けども行けども表示が有るのは「金ケ崎」だけ。 酷い場合は四つ角のうち 2 方向の行き先が「金ケ崎」なので、一体自分がどこを走っているのやら…。 時々他の表示も有るのですが、「夏油」はまだいいとして、かなり南下した時に前触れも無く「奥州」(み、「水沢」はどこ…)、北上すると既に北上市内なのでいきなり「花巻」、と合併の弊害も併せて食らわせてくる有様。 あれは酷い物でした。
全国に名前の大き過ぎる地名も数多く生まれましたが、土地鑑が無くて分かり辛かったのが青森県十和田市。 十和田市街と十和田湖と東北自動車道十和田インターがバラバラの位置に在るため、"十和田" の文字だけに釣られると迷い易くなっています。 似た番号の国道が繋がっているのも、これに加担しています。