月見酒(MINT's World)

どんなバイクなのか?(2006年記述)

本当は完全オンロードスタイルの「F 650 CS SCARVER(スカーバー)」を見たかったのですが、2005年まででカタログ落ちしてしまったので、エンジンが同じデュアルパーパスの「F 650 GS」を見てみる事に。

元々この水冷 650cc エンジンはレース用に開発された物だそうで、単気筒でもえらく高速回転型。 それをかなり低速向けに振り直している様なのですが、それでも 4,000rpm 程を境目に振動も加速もハッキリとモードが分かれており、また、インジェクションの調整も、ガバっと開けないと一気には前に出ない様になっています。 これらの特徴は、逆に言えば多少加速が心許無くはありますが低速回転でマッタリと走るのも可能と云う事。 手軽に乗りたい人向けです。

サスペンションに関しては、オフロードでの能力は走っていないので不明ですが、極めて乗り心地が良いと言う印象。 テレレバーでもないのに非常に安定しています。 サスペンションのダンピング能力の他、シート下にガソリンタンクを配したりして重心がムチャクチャ低いのもこの特性を生み出している要因です。 別に倒しても良いのでしょうが、普段からすると違和感があるので試乗中はほとんど直立不動のまま走らせていました。

見た目のインパクトは除いて(BMW としては大人しい姿ですけど)、マシンポテンシャル的には結構ゲタ代わりにもなる汎用性の高い車と言えそうです。

その他の特徴や気になった点は以下。

  • BMW 唯一のレギュラーガソリン仕様
  • ABS の ON / OFF 切り替えスイッチ付き
  • 脚付きが十分に良く重量級ではないので、ヨロけても何とかなる
  • 5速がロー寄りなので高速道路走行用に 6速が欲しい
  • メカノイズはそれほどでもないけど排気音と振動音はデカい
  • あまり急激でないシフトダウンでもタイヤが鳴く
  • たまにアフターファイアを起こしている様な気がする
  • リアキャリアは事実上飾りなので、オプションのバッグやケース必須
  • 左手集中でプッシュキャンセルの一般的なウインカーボタンだが、国産車とはホーンボタンとの上下配置が逆(最初は全員必ず出発でトチる(笑))

そして 800cc 化(2008年10月追記)

2008年、800cc 並列ツインエンジンを積んでモデルチェンジ(「F 800 S」「F 800 ST」と同じエンジンです)。 しかし、 車名の変更は無し と云う実に妙な状態で売り出しています。

並列 2 気筒と云っても単気筒的な 360°クランクでありながら、「F 800 S」はスポーティーな車種(飽くまで見た目の印象ですが…)でエンジンはよく回る味付けになっていると聞いていますが、デュアルパーパス車輛である「F 650 GS」では低速回転トルク重視にリファインされています。

排気量に +150cc の余裕が有る為「全体的に持ち上がっているかな?」と思わなくもないのですが、単気筒から 2気筒に変わっているせいか、ドンと突き上げてくる様な感触は有りません。 高速回転域をかなり抑えつけている感触も有り、650cc モデルでは有ったモード変更的なフィーリングが無くなっていて、800cc と考えるとまったりし過ぎていて違和感が有りますが、乗り易さは向上しています。 直後に「CB500S」に乗り直したら「やっぱり違うな」と思ったので、それなりに 800cc なのでしょう。

その他のポイント。

  • センタースタンドを用意(ローダウン化時を除く)
  • ABS の ON / OFF 切り替えスイッチ健在
  • ミッション 6速化
  • ウインカースイッチの配置は BMW 標準仕様に
  • アフターファイア癖は直ってない
  • レギュラーガソリン仕様
  • スクリーン周りの雰囲気が変わった
  • ホイールがキャストホイールになり、タイヤもラジアルチューブレス化
  • エンデューロ系とはされているが、かなりオンロード向けに振られた?

最後は大きなポイントで、GS の名前を冠してはいますが「本当はスカーバーの復活ではないのか?」とも言えなくもない程オンロード向けです。

実は、ドイツでは「F 800 GS」が別に存在していて(ややこしい)、こちらは従来の GS シリーズ同様のオフロード対応車となっています。 また、650cc 本格オフローダーとして「G 650 Xchallenge」もラインナップ。 2008年式の「F 650 GS」は、名前は同じでも直系の後継車とは言えないのでしょう。

「F 800 GS」は、2008年現在まだ日本に入って来ていませんが、同時に並ぶ様になれば差がハッキリ見えて分かり易くなるかもしれません。 今後のパリダカールラリーの開催が不透明な状態で「ダカール」とも名乗り辛い等、メーカー側の車種命名が混乱しがちな事情も見えます。

主な諸元(輸入車 F 650 GS 2006年式 / 2008年式)

2006年式2008年式
全長?2,280mm
全幅?850mm
全高?1,300mm
シート高780mm(日本仕様)(750・820mm オプション)790mm(日本仕様)(ローダウン仕様 765mm
車輛重量197kg208kg
乗員定員2人
燃料消費効率30.3km/ℓ(90km/h 定地走行テスト値)27.0km/ℓ(90km/h 定地走行テスト値)
エンジン種類水冷4サイクルDOHC4バルブ単気筒水冷4サイクルDOHC4バルブ並列2気筒
総排気量652cc798cc
内径×行程110mm × 83mm82mm × 75.6mm
圧縮比11.512.0
最大出力50ps(37kW)/ 6,500rpm71ps(52kW)/ 7,000rpm
最大トルク6.12kgf·m(60N·m)/ 5,000rpm7.35kgf·m(75N·m)/ 4,500rpm
燃料供給方式電子制御燃料噴射電子制御燃料噴射(BMS-K)
始動方式セルフ式
燃料タンク容量17.3ℓ約 16ℓ(リザーブ約 4ℓ)
クラッチ形式湿式多板
変速機形式5速リターン6速リターン
変速比 1速5.3514.783
変速比 2速3.4053.400
変速比 3速2.5542.683
変速比 4速2.0342.281
変速比 5速1.7022.024
変速比 5速-1.865
駆動方式チェーンベルト
最終減速比2.6152.412
タイヤ(前)100 / 90-19110 / 80R19
タイヤ(後)130 / 80-17140 / 80R17
ブレーキ形式(前)油圧式 S ディスク(ツインピストン、フローティングマウント)油圧式 S ディスク(ツインピストン、フローティングマウント、300mm
ブレーキ形式(後)油圧式 S ディスク(シングルピストン、フローティングマウント)
懸架方式(前)テレスコピック式(正立・インナーチューブ41mm・ストローク 170mm・スタビライザー付き)テレスコピック式(正立・インナーチューブ41mm・ストローク 180mm
懸架方式(後)スイングアーム式・ショックアブソーバ 1本(ストローク 165mmスイングアーム式・ショックアブソーバ 1本(ストローク 170mm
バッテリー電圧12V
発売日2000年
メーカー希望小売価格934,500 〜 1,044,750円1,015,000 〜 1,204,000円
2008年10月7日
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