本当は完全オンロードスタイルの「F 650 CS SCARVER(スカーバー)」を見たかったのですが、2005年まででカタログ落ちしてしまったので、エンジンが同じデュアルパーパスの「F 650 GS」を見てみる事に。
元々この水冷 650cc エンジンはレース用に開発された物だそうで、単気筒でもえらく高速回転型。 それをかなり低速向けに振り直している様なのですが、それでも 4,000rpm 程を境目に振動も加速もハッキリとモードが分かれており、また、インジェクションの調整も、ガバっと開けないと一気には前に出ない様になっています。 これらの特徴は、逆に言えば多少加速が心許無くはありますが低速回転でマッタリと走るのも可能と云う事。 手軽に乗りたい人向けです。
サスペンションに関しては、オフロードでの能力は走っていないので不明ですが、極めて乗り心地が良いと言う印象。 テレレバーでもないのに非常に安定しています。 サスペンションのダンピング能力の他、シート下にガソリンタンクを配したりして重心がムチャクチャ低いのもこの特性を生み出している要因です。 別に倒しても良いのでしょうが、普段からすると違和感があるので試乗中はほとんど直立不動のまま走らせていました。
見た目のインパクトは除いて(BMW としては大人しい姿ですけど)、マシンポテンシャル的には結構ゲタ代わりにもなる汎用性の高い車と言えそうです。
その他の特徴や気になった点は以下。
2008年、800cc 並列ツインエンジンを積んでモデルチェンジ(「F 800 S」「F 800 ST」と同じエンジンです)。 しかし、 車名の変更は無し と云う実に妙な状態で売り出しています。
並列 2 気筒と云っても単気筒的な 360°クランクでありながら、「F 800 S」はスポーティーな車種(飽くまで見た目の印象ですが…)でエンジンはよく回る味付けになっていると聞いていますが、デュアルパーパス車輛である「F 650 GS」では低速回転トルク重視にリファインされています。
排気量に +150cc の余裕が有る為「全体的に持ち上がっているかな?」と思わなくもないのですが、単気筒から 2気筒に変わっているせいか、ドンと突き上げてくる様な感触は有りません。 高速回転域をかなり抑えつけている感触も有り、650cc モデルでは有ったモード変更的なフィーリングが無くなっていて、800cc と考えるとまったりし過ぎていて違和感が有りますが、乗り易さは向上しています。 直後に「CB500S」に乗り直したら「やっぱり違うな」と思ったので、それなりに 800cc なのでしょう。
その他のポイント。
最後は大きなポイントで、GS の名前を冠してはいますが「本当はスカーバーの復活ではないのか?」とも言えなくもない程オンロード向けです。
実は、ドイツでは「F 800 GS」が別に存在していて(ややこしい)、こちらは従来の GS シリーズ同様のオフロード対応車となっています。 また、650cc 本格オフローダーとして「G 650 Xchallenge」もラインナップ。 2008年式の「F 650 GS」は、名前は同じでも直系の後継車とは言えないのでしょう。
「F 800 GS」は、2008年現在まだ日本に入って来ていませんが、同時に並ぶ様になれば差がハッキリ見えて分かり易くなるかもしれません。 今後のパリダカールラリーの開催が不透明な状態で「ダカール」とも名乗り辛い等、メーカー側の車種命名が混乱しがちな事情も見えます。
| 2006年式 | 2008年式 | |
|---|---|---|
| 全長 | ? | 2,280mm |
| 全幅 | ? | 850mm |
| 全高 | ? | 1,300mm |
| シート高 | 780mm(日本仕様)(750・820mm オプション) | 790mm(日本仕様)(ローダウン仕様 765mm) |
| 車輛重量 | 197kg | 208kg |
| 乗員定員 | 2人 | |
| 燃料消費効率 | 30.3km/ℓ(90km/h 定地走行テスト値) | 27.0km/ℓ(90km/h 定地走行テスト値) |
| エンジン種類 | 水冷4サイクルDOHC4バルブ単気筒 | 水冷4サイクルDOHC4バルブ並列2気筒 |
| 総排気量 | 652cc | 798cc |
| 内径×行程 | 110mm × 83mm | 82mm × 75.6mm |
| 圧縮比 | 11.5 | 12.0 |
| 最大出力 | 50ps(37kW)/ 6,500rpm | 71ps(52kW)/ 7,000rpm |
| 最大トルク | 6.12kgf·m(60N·m)/ 5,000rpm | 7.35kgf·m(75N·m)/ 4,500rpm |
| 燃料供給方式 | 電子制御燃料噴射 | 電子制御燃料噴射(BMS-K) |
| 始動方式 | セルフ式 | |
| 燃料タンク容量 | 17.3ℓ | 約 16ℓ(リザーブ約 4ℓ) |
| クラッチ形式 | 湿式多板 | |
| 変速機形式 | 5速リターン | 6速リターン |
| 変速比 1速 | 5.351 | 4.783 |
| 変速比 2速 | 3.405 | 3.400 |
| 変速比 3速 | 2.554 | 2.683 |
| 変速比 4速 | 2.034 | 2.281 |
| 変速比 5速 | 1.702 | 2.024 |
| 変速比 5速 | - | 1.865 |
| 駆動方式 | チェーン | ベルト |
| 最終減速比 | 2.615 | 2.412 |
| タイヤ(前) | 100 / 90-19 | 110 / 80R19 |
| タイヤ(後) | 130 / 80-17 | 140 / 80R17 |
| ブレーキ形式(前) | 油圧式 S ディスク(ツインピストン、フローティングマウント) | 油圧式 S ディスク(ツインピストン、フローティングマウント、⌀300mm) |
| ブレーキ形式(後) | 油圧式 S ディスク(シングルピストン、フローティングマウント) | |
| 懸架方式(前) | テレスコピック式(正立・インナーチューブ⌀41mm・ストローク 170mm・スタビライザー付き) | テレスコピック式(正立・インナーチューブ⌀41mm・ストローク 180mm) |
| 懸架方式(後) | スイングアーム式・ショックアブソーバ 1本(ストローク 165mm) | スイングアーム式・ショックアブソーバ 1本(ストローク 170mm) |
| バッテリー電圧 | 12V | |
| 発売日 | 2000年 | |
| メーカー希望小売価格 | 934,500 〜 1,044,750円 | 1,015,000 〜 1,204,000円 |