どんなバイクなのか?
ゼルビスとそっくりな構成をした、イタリアホンダ製のスタンダードなヨーロピアンバイク。
パッと見の差はロゴやステッカー程度で、エンジンが違うゼルビスと言っても過言ではありません。
逆輸入車ではなく事実上は外車になる為、本来はローコスト車なのに価格が上がってしまう点とパーツの入手性が悪く維持がやや困難である点がありますが、
ゼルビスのパワーの無さを補っているだけあって、多くのゼルビス乗りの憧れの的となっています。
2002年を最後に生産終了して絶版。2003年に登場した「CBF500」と「CBF600 S」が後継車種となっています。
しかし、一見そっくりとは言え実際に乗ってみるといろいろな違いに気付きます。
「ゼルビス」と「CB500S」の違いや大きな特徴
- エンジン・出力特性関係
- パワーチェック結果
- 極低速トルクに優れていて、クラッチを繋いだ瞬間のリアクションは鋭く、相当な初速馬鹿。
- 4,000rpm までで街乗りの加速は賄える一方、5,000rpm で谷。そこから高速回転域に向かっての伸びも鋭くない。
- そうは言っても 7,000 〜 8,000rpm は相応に鬼。
- レッドゾーンは 10,500rpm から。11,000rpm 辺りでレブリミッターが働く。
- 6速 7,000rpm 140km/h からが最後のトルクバンド域。180km/h 辺りからは風圧に勝てなくなる。
- ミッションの出来があまり良くない。シフトショックが大きく、特に 5速と 6速の間でギア抜けを起こし易い。
- 1速と 2速の変速比が離れ過ぎ。それなりに慎重にシフトダウンしてもリアタイヤが鳴いてしてしまう程で、感覚的には 2速がハイギアード過ぎ。交差点や陜い峠道での減速してからのスローカーブで選択に困る。
- ところどころ咳き込む様な吹け方で、滑らかさに欠ける。これは、味と呼ぶよりは少々下品で安っぽい感じ。
- 並列 2気筒レイアウト上一次振動が直に来る為か、エンジン振動が大きい。ステップはビリビリするし、高速走行時にはハンドルミラーがかなりブレる。
- 6速 2,500rpm で 50km/h となり、この域が走り続けられる最低回転数。アクセルコントロールさえミスしなければ、平坦な道をこのまま走れる。
- オクタン価指定は 91 以上。一往日本のレギュラーガソリン範囲内、かつ圧縮率が普通なので、ハイオクガソリンは必要無い。
- エンジンオイル量はキャップのオイルゲージを使ってチェックする。交換量はおよそ 3ℓ。
- オイルフィルターはカートリッジ式。
- エアクリーナーエレメントはドラム型。
- サブエアクリーナーが付いている。フューエルタンクの下、左エンジンシリンダーの上。
- オイルドレーンボルトの太さは 14mm。
- フレーム・足回り関係
- エンジンの前にエンジンマウント穴と一体型の補強フレームが 1本入っている。
- サイドスタンドが重量増に合わせて一回り太い。
- フロントフォークとリアショックアブソーバーが強化されている。セッティングもやや固め。
小さなギャップをよく吸収し、中速コーナリングでの安定性は「ゼルビス」には無い物があるが、大きな段差の乗り越えや低速走行時はガクガクする。
これは、イニシャル最弱設定で多少緩和出来る。
- 年式によってブレーキの仕様が違う。1997年以前の年式だとリアがドラム式、1998年式から前後ブレンボ製キャリパー(但し日本国内ではまず見られない片押しピストン)のディスク式。
リアブレーキのローター径が 20mm 大きく、その分「ゼルビス」よりもリアに偏ったブレーキになっている。前後共、初期制動が強い。
- サイズは同じだが速度カテゴリが違うタイヤを履く為、純正の使用銘柄は違う。
- チェーンカバーの形状が違い、タイヤとのクリアランスが非常に陜い為、タイヤのサイズアップは難しいどころか標準サイズでも銘柄によるプロファイル差を気にする必要が有る。
- サスペンションの設定やエンジンレイアウト差による重心の低さで、ハンドリングは「ゼルビス」とは全くの別物。
- サスペンションの設定とシフトショックの大きさから、乗り心地は劣っている。さらに、エンジン振動が高速クルージング性能を殺し気味。
- 左のリアショックユニットのフレームへの取り付け位置が 1cm 強外側にオフセットされている。
- スイングアーム本体に違いは無いが、リアショックユニットの取り付け位置が数 mm 後ろになっている。
- 見るからに「ゼルビス」よりも尻下がり。フロント荷重が抜け易い癖が有るが、それでもまだリアの荷重不足気味で、大柄な体格を想定している欧州的な設定か。
- ドライブチェーンが 525mm サイズ。これによりドリブンスプロケットとリアホイールが違う。
- 電装関係
- メーターのライティングが赤色。表記やアイコン類も違う。
- ウインカーのインジケーターが緑色。
- ウインカーが四角く横に大きく張り出している。通称「握り拳」。フロント側はステーまでは同じだが、マウント金具から先が違う。リア側はスタンドグリップにステーが溶接されていて、それに取り付けられている。「ゼルビス」用に取り替える事も可能だが、変更を要する部分は多い。
- ウインカーではなくヘッドライト部にポジションライトが有る。右のスイッチボックスに切り替えスイッチ付き。
- ロービームのみマルチリフレクター式でヘッドライトの配光が横に広い。ストレートに光を通している部分もあるが、代わりに集光効率が下がっているので真正面の明るさは同程度だが、全体的にはかなり明るい。
- モデルチェンジ後もレギュレーターが旧式のまま。
- ヒューズボックスが右サイドカバー、イグナイターとウインカーリレーがリアカウル右の内側の配置になっているので、フロントカウル内がスッキリしている。
- テールライトの形状が違う。テールリフレクターも、フェンダー取り付けではなくテールライトの上に在る。
- 一回り大型のホーンを使っている。音程低め、音量大。
- 外装・小物関係
- 貼り物が違う。タンクにウイングマーク、サイドカバーに車種名のステッカー。カウルは、メーカーロゴ以外は無地。
- ハンドルミラーが丸い小型タイプ。
カウルとの干渉を防ぐ為に専用品を付けている「ゼルビス」と違い、汎用品が使えるホルダーをスイッチボックス前に新設している。
クラッチレバーとフロントブレーキマスターシリンダー脇の元のマウントは残っているが、封印されている。
- アンダーカウルが無い。社外品でのフルカウル化は可能。
- マフラーやフレーム類が黒色塗装。
- 年式によってカラーリングが様々。1997年以前は黒・緑・赤・青等のパターン入り。1998 〜 1999年は黒・赤・黄でパターン入り。2000年からは黒・青・赤のメタリック単色。
- 2000年式からはホイールが金色塗装。
- フューエルタンク下にエアクリーナーボックスが無い為、ここで稼いだ分、容量が 2ℓ 多い。普段見えている部分の形状は同じ。底面に断熱の為のウレタンが貼られている。
- リザーブコックに切り替えてからほとんど走らない事が有る。"ON" と "RES" の燃料吸出し口の位置設計が悪い可能性有り。
- リアショックユニットのオフセット取り付けから逃げる為、リアカウルの形状が違う。幅と長さがどちらも少し長め。
しかしマウント位置は変わらないので、左サイドカバー付近を樹脂の変形で誤魔化す等すると、「ゼルビス」用の取り付けが可能。
- リアカウルが変わってもシート内蔵フックやスタンドグリップの形状は同じなので、荷重が掛かるとカウルとフック類が干渉してしまう。
欧州車なので、ケース類を使わないバタ臭い荷物の積載方法は考慮されていないのかもしれない。
- 形状違いの関係でシートが開き過ぎてリアカウルに干渉しない様にストッパーが付いている為、シートが全開にならない。
これによりつっかえ棒が省略されており、肩で支える等するしかない。他のバイク同様、開けた後に取り外す事を想定しているのかも?
- シートベルトが無い。
- シートの固定金具が違っており、バネが入っていない為に開ける時に反動が付かない。
周辺部品の取り付け位置自体は同じなので、鍵の変更まで行えば「ゼルビス」型への変更はおそらく可能。
- バッテリーの搭載位置が少し後ろ側になっている為、シート下のスペースが 2ℓ 陜くなっている。奥行きは同じだが入り口が陜く、数値以上に小さく感じて使い勝手が悪い。
- チケットボックスの中敷が無い。本体形状は同じなので、純正部品で注文すれば貼り付けられる。品番 "64251-KBV-300"。
- ブレンポキャリパー装着車は、フロントブレーキレバー、クラッチレバーもブレンボ製専用品。ブレーキ側は角度や位置の調整が一切出来ない上、入手性が悪い。
- リアブレーキペダルの形状が違う。「ゼルビス」は筒状だが、「CB500S」は平ら。
- ステップの下に補強金具らしき物が入っている。
- 1cm 程バンクセンサーが長い。サスペンションが高い荷重に耐えるので、パーツの接触よりタイヤの潰れの限界が早くて擦る感じか。
- 車体の随所に、ウレタン製の小さなクッション部品が追加されている。
- その他
- エンジンオイルやクーラントが、距離に応じて普通に減る。バイクにおいては減るのが普通だが、ゼルビスがあまりにも減らないので感覚が狂う。
- カウル無しモデルの「CB500」が 1993年に登場。1998年のフルモデルチェンジから「CB500S」が加わった。つまり 1997年で終わった「ゼルビス」の焼き直しなのか?
- 純正オプションのパニアケースがある。
余談
昔、雑誌「月刊モーターサイクリスト」が「CB400S 日本国内発売?」とか云うスクープ記事を載せた事があるそうな。
まあ、見事に外した訳ですが…。
主な諸元(輸入車 2000年式)
| 車名 | CB500S | CB500 |
| 型式 | PC32(CB500S-Y) | PC32(CB500-Y) |
| 全長 | 2,175mm | 2,170mm |
| 全幅 | 770mm | 720mm |
| 全高 | 1,160mm | 1,050mm |
| 軸距 | 1,435mm | 1,430mm |
| 最低地上高 | 145mm |
| シート高 | 775mm |
| 乾燥重量 | 177kg | 173kg |
| 車輛重量 | 193kg | ? |
| 乗員定員 | 2人 |
| 最小回転半径 | 2.7m |
| エンジン型式 | PC26E |
| エンジン種類 | 水冷4サイクルDOHC4バルブ並列2気筒 |
| 総排気量 | 499cc |
| 内径×行程 | 73.0mm×59.6mm |
| 圧縮比 | 10.5 |
| 最大出力 | 58ps(42.5kW)/ 9,500rpm |
| 最大トルク | 4.8kgf·m(47.1N·m)/ 8,000rpm |
| キャブレター型式 | KEIHIN 33mm(VP型) |
| 始動方式 | セルフ式 |
| 点火装置方式 | CDI式バッテリー点火 |
| 潤滑方式 | 圧送飛沫併用式 |
| 冷却水容量 | 2.0ℓ |
| 潤滑油容量 | 3.5ℓ |
| 燃料タンク容量 | 18.0ℓ(うちリザーブ2.5ℓ)(オクタン価 91 以上指定) |
| クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング |
| 変速機形式 | 常時噛合式 6速リターン |
| 変速比 1速 | 3.461 |
| 変速比 2速 | 2.235 |
| 変速比 3速 | 1.750 |
| 変速比 4速 | 1.478 |
| 変速比 5速 | 1.280 |
| 変速比 6速 | 1.130 |
| 減速比(1次 / 2次) | 1.947 / 2.666 |
| ドライブチェーン | サイズ / 108コマ |
| スプロケット | 前 15T / 後 39T |
| 懸架方式(前) | テレスコピック式(正立・インナーチューブ37mm・ストローク 130mm) |
| キャスター角 | 2720 |
| トレール量 | 108mm | 113mm |
| Fフォーク調整機構 | 無し(オイル硬度 10番) |
| 懸架方式(後) | スイングアーム式・ショックアブソーバ 2本(ストローク 117mm) |
| Rショック調整機構 | イニシャル 5段階のみ |
| タイヤ(前) | / -()(空気圧 2.00kgf/cm²(196kPa))
(PIRELLI「MT75」/ DUNLOP「D103F」) |
| リム径(前) | 2.50in(ホイール金塗装) |
| タイヤ(後) | / -()(空気圧 2.25kgf/cm²(221kPa))
(PIRELLI「MT75」/ DUNLOP「D103A」) |
| リム径(後) | 3.50in(ホイール金塗装) |
| ブレーキ形式(前) | 油圧式 Sディスク(296mm)(ブレンボ製キャリパー。2ピストン片押し) |
| ブレーキ形式(後) | 油圧式 Sディスク(240mm)(ブレンボ製キャリパー。1ピストン片押し) |
| フレーム形式 | ダブルクレードル |
| バッテリー電圧 | 12V |
| 前照灯 | H4型 12V 60 / 55W |
| 速度・走行距離計測 | フロントホイールから取る方式 |
| 発売年 | 1998年 | 1993年 |
| 平均車体価格 | 730,000 〜 860,000円 | ? |
| 消耗部品の互換性 |
- スパークプラグ
「ゼルビス」と共通。
- エアクリーナー
純正番号「17230-MY9-000」。1996年式までの「CB400SF」と共通。K&N・Active 製のリプレイス品あり。
- オイルフィルター
「CB400SF」「CBR600F」他と共通。
- スプロケット前後
「CB400SF」「RVF」他と共通。
- ブレーキパッド
「F650ST / GS / CS Scaver」、1997 〜 2003年式 aprilia「PEGASO650」、1997年式以降の HONDA「ドミネーター」「SLR650」「VIGOR650」と共通。フロントだけなら「ドービル」、リアだけなら 2002年以降の KTM 製車輛の多くとも共通。
- フロントフォーク周辺
調査中。トップブリッジは違う。
- ホイールハブダンパー
調査中。少なくとも「ゼルビス」とは違う。
- バッテリー
「CB400F」「XJR400R」他と共通。
- ワイヤー類
不明多数。
- フロントブレーキレバー
不明。
- サービスマニュアル
Heynes 製の物在り。Amazon 等で入手可能。
|
うち固有の諸元(2008年11月26日現在)
| 年式 | 2000年式(推定) |
| 色 | 青(メタリック・単色・コード PB-296M(Moody (temper) blue metallic)) |
| その他変更 |
- プラグケーブル ノロジー「ホットワイヤー」
- Rショックイニシャル 1段目
- スクリーン GIVI「D206S」
- Hepco & Becker製エンジンガード
- 純正リアキャリア
- リアボックス HONDA ACCESS「08L52-GBL-B01」
- ハンドルスペーサー POSH*Faith「スーパーバイクポジションブラケット 080052」
- 一部「ゼルビス」化
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| 使用中消耗品 |
- オイル HONDA「ULTRA G4(ウルトラ G4) 0w-30」
- スパークプラグ DENSO「IRIDIUM POWER IUH24」
- チェーン D.I.D.「525V8」
- タイヤ BRIDGESTONE「BT-45」標準サイズ
- ブレーキパッド FERODO「FDB2006ST」+「FDB2005ST」
- フォークオイル硬度 10
- 前照灯バルブ PIAA「クリアホワイト X(二輪車用)」
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| 乗り出し日 | 2007年06月11日 |
21328
| 総走行距離 | 22,284km |
| 乗り出し走行距離 | 12,314km |
| 1年目走行距離 | 7,940km |
| パワーチェック結果 | 1回目 |
| 燃費(満タン法) | 16 〜 28.8km/ℓ |