月見酒(MINT's World)

どんなバイクなのか?

VT250FN Xelvis(ゼルビス)」とそっくりな構成をした、欧州ホンダ製(生産はイタリアなど)のスタンダードなヨーロピアンバイク。 ベース車輛でノンカウル版の「CB500」に 1998年から追加されたカウル付きモデルで 2002年まで製造されていました。 後継車種に、2003年発売の「CBF500」と「CBF600 S」が在ります。

平たく言えば共通フレームに別のエンジンを乗せただけなので、そっくりなのも当然です。 パッと見の差は、エンジンとステッカー程度しか有りません。 海外生産であり逆輸入車ではなく外車扱いなので、本来は廉価車種なのに日本では価格が上がってしまったり、パーツの入手性が悪く維持がやや困難な点が有りますが、 「ゼルビス」のパワーの無さを補っているだけあって、一部の「ゼルビス」乗りの憧れの的となっています。

どう云う訳か手に入ってしまい 2007年6月から乗り回していましたが、 「自分で乗り潰してしまうにはもったいない」と思うのと、その為には消耗部品供給にやや不安が有る事が気になって乗り換えを検討し、2009年9月に乗車を希望する方に御譲りしました。 ただ、乗り換え自体は諸般の事情から今の所中断しており、「車種をどうするか」「いつ行うか」決まっていません。

ある程度ボリュームの有る期間、大型自動二輪車の勉強ができた事に感謝しています。 新天地でも元気に走ってほしいなぁ…。

「ゼルビス」と「CB500S」の違いや大きな特徴

実際に乗ってみると、一見そっくりとは言え様々な違いに気付きます。

エンジン・出力特性関係
  • パワーチェック結果
  • 極低回転からでも大きなトルクが出て、クラッチを繋いだ瞬間のリアクションは非常に鋭く、相当な初速馬鹿。
  • 4,000rpm までで街乗りの加速は賄える一方、5,000rpm で谷。そこから高速回転域に向かっての伸びも鋭くはない。
  • そうは言っても 7,000 〜 8,000rpm は相応に鬼。待乗りでは 4,000〜5,000rpm の山が重用ポイント。
  • レッドゾーンは 10,500rpm から。11,000rpm 辺りでレブリミッターが働く。
  • 6速 7,000rpm 140km/h からが最後のトルクバンド域。180km/h 辺りからは風圧に勝てなくなる。
  • ミッションが、入り難くはないが滑らかでもない。比較的シフトショックが大きく、特に 5速と 6速の間ではラフなシフトワークをするとギア抜けを起こす癖有り。
  • 1速と 2速の変速比が離れ過ぎ。それなりに慎重にシフトダウンしてもリアタイヤが鳴いてしてしまう程で、交差点や陜い峠道での減速してからのスローカーブで選択に困る。
  • ところどころ咳き込む様な吹け方で、滑らかさに欠ける。味と呼ぶよりは少々下品で安っぽい感じ。
  • 並列 2気筒レイアウト上一次振動が直に来るためか、エンジン振動が大きい。ステップはビリビリするし、高速走行時にはハンドルミラーがかなりブレる。
  • 6速 2,500rpm で 50km/h となり、この域が走り続けられる最低回転数。アクセルコントロールさえミスしなければ、平坦な道をこのまま走れる。
  • オクタン価指定は 91 以上。ほぼ日本のレギュラーガソリン範囲内で、ピストンの圧縮比も普通でありハイオクガソリンは必ずしも要らないが、より低回転トルクを太らせるために入れるのはアリ。
  • エンジンオイル量はキャップのオイルゲージを使ってチェックする。交換量はおよそ 3ℓ。
  • オイルフィルターはカートリッジ式。
  • エアクリーナーエレメントはドラム型。
  • サブエアクリーナーが付いている。フューエルタンクの下、左エンジンシリンダーの上。
  • オイルドレーンボルトの太さは 14mm
フレーム・足回り関係
  • エンジンの前にエンジンマウント穴と一体型の補強フレームが 1本入っている。
  • サイドスタンドが重量増に合わせて一回り太い。
  • フロントフォークとリアショックアブソーバーが強化されている。セッティングもやや固め。 小さなギャップをよく吸収し、中速コーナリングでの安定性は「ゼルビス」には無い物があるが、大きな段差の乗り越えや低速走行時はガクガクする。 これは、イニシャル最弱設定で多少緩和できる。
  • 年式によってブレーキの仕様が違う。1997年以前の年式だとリアがドラム式、1998年式から前後ブレンボ製キャリパー(但し日本国内ではまず見られない片押しピストン)のディスク式。 リアブレーキのローター径が 20mm 大きく、その分「ゼルビス」よりもリア側に偏ったブレーキになっている。
  • サイズは同じだが速度カテゴリが違うタイヤを履くため、純正の使用銘柄は違う。
  • チェーンカバーの形状が違い、タイヤとのクリアランスが非常に陜いため、タイヤサイズアップは難しいどころか標準サイズでも銘柄によるプロファイル差を気にする必要が有る。
  • サスペンションの設定やエンジンレイアウト差による重心の低さで、ハンドリングは「ゼルビス」とは全くの別物。
  • サスペンションの設定とシフトショックの大きさから、乗り心地は劣っている。さらに、エンジン振動が高速クルージング性能を殺し気味。
  • 左のリアショックユニットのフレームへの取り付け位置が、1cm 強外側にオフセットされている。
  • スイングアーム本体に違いは無いが、リアショックユニットの取り付け位置が数 mm 後ろになっている。
  • 見るからに「ゼルビス」よりも尻下がりで、フロント荷重が抜け易い癖が有る。しかし、それでもまだリアの荷重不足気味で、大柄な体格を想定している欧州的な設定か。
  • ドライブチェーンが 525mm 型。これによりドリブンスプロケットとリアホイールが違う。
電装関係
  • メーターのライティングが赤色。表記やアイコン類も違う。
  • ウインカーのインジケーターが緑色。
  • ウインカーが四角く横に大きく張り出している。通称「握り拳」。フロント側はステーまでは同じだが、マウント金具から先が違う。リア側はスタンドグリップにステーが溶接されていて、それに取り付けられている。「ゼルビス」用に取り替える事も可能だが、変更を要する部分は多い。
  • ウインカーではなくヘッドライト部にポジションライトが有る。右のスイッチボックスに切り替えスイッチ付き。
  • 前照灯のレンズに、ロービームのみマルチリフレクター式の物と、完全に「ゼルビス」と共通の物が居る。前者の場合ヘッドライトの配光が横に広く、真正面の明るさは同程度だが全体的にはかなり明るい。年式やフレームナンバーごとの仕様違い依存関係は不明。
  • レギュレーターは、全年式共に旧式のまま。
  • ヒューズボックスが右サイドカバー、イグナイターとウインカーリレーがリアカウル右内側の配置になっているので、フロントカウル内がスッキリしている。
  • テールライトの形状が違う。テールリフレクターも、フェンダー上ではなくテールライトの上に在る。
  • 一回り大形のホーンを使っている。音程が低めで、音量も大きい。
外装・小物関係
  • 貼り物が違う。タンクにウイングマーク、サイドカバーに車種名のステッカー。カウルは、メーカーロゴ以外は無地。
  • ハンドルミラーが丸い小型タイプ。 カウルとの干渉を防ぐために専用品を付けている「ゼルビス」と違い、汎用品が使えるホルダーをスイッチボックス前に新設している。 クラッチレバーとフロントブレーキマスターシリンダー脇の元のマウントは残っているが、樹脂キャップで封印されている。
  • ハンドルバーは、グリップ位置計測で「ゼルビス」よりも 1.5cm 程度の広い物を使用。標準で黒塗装。
  • アンダーカウルが無い。社外品でのフルカウル化は可能
  • マフラーやフレーム類が黒色塗装。
  • 年式によってカラーリングが様々。1997年以前は黒・緑・赤・青等のパターン入り。1998 〜 1999年は黒・赤・黄でパターン入り。2000年からは黒・青・赤のメタリック単色。
  • 2000年式からはホイールが金色塗装。
  • フューエルタンク下にエアクリーナーボックスが無いため、ここで稼いだ分、タンク容量が 2ℓ 多い。表に見えている部分の形状は同じ。底面に断熱のためのウレタンが貼られている。
  • リザーブ側にメインコックを切り替えてからほとんど走らない事が稀に有る。燃料吸出し口の配置が悪いか、弁の動作が今一つな可能性有り。
  • リアショックユニットのオフセット取り付けから逃げるため、リアカウルの形状が違う。幅と長さ共に少し長め。 しかしマウント位置は変わらないので、左サイドカバー付近を樹脂の変形でごまかすなどすると、「ゼルビス」用との取替えも可能。
  • リアカウルが変わってもシート内蔵フックやスタンドグリップの形状は同じなので、荷重が掛かるとカウルとフックが干渉してしまう。 ハードケース類を使わない貧乏臭い荷物の積載方法は、あまり考慮されていないのかもしれない。
  • 形状違いの関係でシートが開き過ぎてリアカウルに干渉しない様にストッパーが付いているため、シートが全開にならない。 これによりつっかえ棒が省略されており、毎回シートごと取り外さないのであれば肩で支えるなどするしかない。
  • シートベルトが無い。
  • シートの固定金具が違っており、閉まりは良いが、バネが入っていないので開ける時には反動が付かない。 周辺部品の取り付け位置自体は同じなので、鍵の変更まで行えば「ゼルビス」型への変更はおそらく可能。
  • バッテリーの搭載位置が少し後ろ側になっているため、シート下のスペースが 2ℓ 陜くなっている。奥行きは同じだが入り口が陜く、数値以上に小さく感じて使い勝手が悪い。
  • チケットボックスの中敷が無い。本体形状は同じなので、純正部品で注文すれば貼り付けられる。品番 "64251-KBV-300"。
  • ブレンポキャリパー装着車は、フロントブレーキレバー、クラッチレバーもブレンボ製専用品。ブレーキ側は角度や位置の調整が一切できない上、入手性が悪い。
  • リアブレーキペダルの形状が違う。「ゼルビス」は筒状だが、「CB500S」は平ら。
  • ステップの下に補強金具らしき物が入っている。
  • 1cm 程バンクセンサーが長い。サスペンションが高い荷重に耐えるので、パーツの接触よりタイヤの潰れの限界が早くて擦る感じか。
  • 車体の随所に、ウレタン製の小さなクッション部品が追加されている。
その他
  • エンジンオイルやクーラントが、距離に応じて普通に減る。バイクにおいては減るのが普通だが、「ゼルビス」があまりにも減らないので感覚が狂う。
  • カウル無しモデルの「CB500」が 1993年に登場。1998年のフルモデルチェンジから「CB500S」が加わった。つまり 1997年で終わった「ゼルビス」の焼き直し?
  • 純正オプションのパニアケースがある。

余談

昔、雑誌「月刊モーターサイクリスト」が「CB400S 日本国内発売?」とか云うスクープ記事を載せた事があるそうな。 まあ、見事に外した訳ですが…。

主な諸元(輸入車 2000年式)

車名CB500SCB500
型式PC32(CB500S-Y)PC32(CB500-Y)
全長2,175mm2,170mm
全幅770mm720mm
全高1,160mm1,050mm
軸距1,435mm1,430mm
最低地上高145mm
シート高775mm
乾燥重量177kg173kg
車輛重量193kg
乗員定員2人
最小回転半径2.7m
エンジン型式PC26E
エンジン種類水冷4サイクルDOHC4バルブ並列2気筒
総排気量499cc
内径×行程73.0mm×59.6mm
圧縮比10.5
最大出力58ps(42.5kW)/ 9,500rpm
最大トルク4.8kgf·m(47.1N·m)/ 8,000rpm
キャブレター型式KEIHIN 33mm(VP型)
始動方式セルフ式
点火装置方式CDI式バッテリー点火
潤滑方式圧送飛沫併用式
冷却水容量2.0ℓ
潤滑油容量3.5ℓ
燃料タンク容量18.0ℓ(うちリザーブ2.5ℓ)(オクタン価 91 以上指定)
クラッチ形式湿式多板コイルスプリング
変速機形式常時噛合式 6段リターン
変速比 1速3.461
変速比 2速2.235
変速比 3速1.750
変速比 4速1.478
変速比 5速1.280
変速比 6速1.130
減速比(一次 / 二次)1.947 / 2.666
ドライブチェーンサイズ 525 / 108コマ
スプロケット前 15T / 後 39T
懸架方式(前)テレスコピック式(正立・インナーチューブ37mm・ストローク 130mm
キャスター角27°20
トレール量108mm113mm
Fフォーク調整機構無し(オイル硬度 10番)
懸架方式(後)スイングアーム式・ショックアブソーバ 2本(ストローク 117mm
Rショック調整機構イニシャル 5段階のみ
タイヤ(前)110 / 80-1757H)(空気圧 2.00kgf/cm²(196kPa)) (PIRELLI「MT75」/ DUNLOP「D103F」)
リム径(前)2.50in(ホイール金塗装)
タイヤ(後)130 / 80-1765H)(空気圧 2.25kgf/cm²(221kPa)) (PIRELLI「MT75」/ DUNLOP「D103A」)
リム径(後)3.50in(ホイール金塗装)
ブレーキ形式(前)油圧式 Sディスク(296mm)(ブレンボ製キャリパー。2ピストン片押し)
ブレーキ形式(後)油圧式 Sディスク(240mm)(ブレンボ製キャリパー。1ピストン片押し)
フレーム形式ダブルクレードル
バッテリー電圧12V
前照灯H4型 12V 60 / 55W
速度・走行距離計測フロントホイールから取る方式
発売年1998年1993年
平均車体価格730,000 〜 860,000円
消耗部品の互換性
スパークプラグ

「ゼルビス」と共通。

エアクリーナー

純正番号「17230-MY9-000」。1996年式までの「CB400SF」と共通。K&N・Active 製のリプレイス品あり。

オイルフィルター

「CB400SF」「CBR600F」他と共通。

スプロケット前後

「CB400SF」「RVF」他と共通。

ブレーキパッド

F650ST / GS / CS Scaver」、1997 〜 2003年式 aprilia「PEGASO650」、1997年式以降の HONDA「ドミネーター」「SLR650」「VIGOR650」と共通。フロントだけなら「ドービル」、リアだけなら 2002年以降の KTM 製車輛の多くとも共通。

フロントフォーク周辺

フォークは「CB750」と共通では?との説有りだが、未検証。

ホイールハブダンパー

調査中。少なくとも「ゼルビス」とは違う。

バッテリー

「CB400F」「XJR400R」他と共通。

ワイヤー類

不明多数。

フロントブレーキレバー

不明。

サービスマニュアル

Heynes 製の物在り。Amazon 等で入手可能。

うち固有の諸元(2009年9月5日現在)

年式2000年式(推定)
青(メタリック・単色・コード PB-296M(Moody (temper) blue metallic))
その他変更
  • プラグケーブル ノロジー「ホットワイヤー」
  • Rショックイニシャル 1段目
  • スクリーン GIVI「D206S」
  • Hepco & Becker 製エンジンガード
  • レンテック製リアキャリア
  • 一部「ゼルビス」化
使用消耗品
  • オイル HONDA「ULTRA G4(ウルトラ G4) 0w-30」
  • スパークプラグ DENSO「IRIDIUM POWER IUH24」
  • チェーン D.I.D.「525V8」
  • タイヤ BRIDGESTONE「BT-45」標準サイズ
  • ブレーキパッド FERODO「FDB2006ST」+「FDB2005ST」
  • フォークオイル硬度 10
  • 前照灯バルブ PIAA「クリアホワイト X(二輪車用)」
乗り出し日2007年06月11日
総走行距離25,959km
乗り出し走行距離15,989km
1年目走行距離7,940km
2年目走行距離7,624km
3年目走行距離425km(2009年9月5日終了
パワーチェック結果1回目
燃費(満タン法)16 〜 28.8km/ℓ

判明している固有パーツナンバー

フロントカウル R
64213-KBV-0100 64230-KBV-000Z
フロントカウル L
64214-KBV-0100 64240-KBV-000Z
リアカウル R
77211-MY5-3000
リアカウル C
77213-MY3-3000
リアカウル L
77212-MY5-3000
サイドカバー R
83600-KBV-0000 83650-KBV-000ZB
サイドカバー L
83700-KBV-0000 83750-KBV-000ZB
2009年9月5日
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