月見酒(MINT's World)

どんなゲームなのか?

タイトル画面のスクリーンショット プレイ中のスクリーンショット

日本では 2007年秋頃に突然話題になった 2007年12月14日発売の PC 向けの洋物横スクロールシューティングゲーム。 PLAYSTATION 3 版も予定されていますが、いつ頃出るのかは一切不明です。

デモムービーを見て「あー、どうも自機ショットがヘッポコかつリアクションが薄いし、敵のデザインや配置が古臭くて絶妙にダメな臭いがするけど、 BGM が鬱くしい感じだし、普段持て余し気味のワイド液晶ディスプレイを目一杯使えるコンテンツだし、画面に見応えは有りそうだよな」 と微妙な第一印象を抱いたものの、「3割程は初回限定版のサウンドトラック CD 目当てにとりあえず買っとく。」の気持ちで航空便の予約をオーダー。 届いた品物は意外(?)にもかなり綺麗な装丁で、附属のゲームデータ冊子の綴じ方が近年の日本ではあまり使われなくなったけど海外では余裕で一般的なセンター縫い綴じだった事以外は、クオリティの高い物でした。
Söldner-X Limited Edition パッケージ写真

ゲームを開始しようとドライブに入れて exe ファイルをダブルクリックすると、インストーラーは無く直接メニューが起動。

Lam.
ええい、洋物め…。

スコアやオプション設定はレジストリに保存するので、「後は、どこから起動しようとあんたの好きにしてくれ。」と云う事の様です。 附属のマニュアルは英語ですが、そこにも「自分でコピーしてくれ。」と書いてあります。

さて、いざゲームを起動してみると、しっかりと日本語ローカライズされている事に気付きます。 時々ポップアップされるチュートリアル文章までローカライズされており、かなり日本市場に力を入れた事が窺えて素直に歓迎すべき所でしょう。 され過ぎていて、「そんな所は日本語にしなくても構わない」とか「そんな日本語は変だ」とかツッコミ所が数多く有りますが、こんな事は洋物ではよくある事。 かの Microsoft ですら、機械翻訳の珍妙な日本語ドキュメントを撒き散らしているのですから、この程度かわいいもので、むしろネタにして楽しむべき所です。

しかし、プレイ開始して数分で気付く事は以下の通り。

  • 敵機が堅い
  • 敵機がちょこまか動く
  • アイテムがなかなか出ない
  • 自機のショットが弱いし細い

概ねデモムービーの第一印象は間違っていなかった様です。 ライフ残量が 20% 以下になると、凶暴になる…と直訳日本語が表示されて攻撃力が増す「バーサクモード」に入りますが、それでも縦方向に小さい敵機が多く、きっちりと狙わないと押されまくりです。 ドバドバと盛大に敵機を撃ち漏らしてしまって、ほとんどプレイになっていません。

Lam.
ええい、洋物め…。

まあ洋物と言ってはみたものの、特に背景が似ている為に連想した「ダライアスⅡ」等、昔のシューティングゲームは国産でもこんな物でした。 どうも、1980年代のノリに頭を切り替えないといけない様です。 ちょこまかと動く代わりに自機の移動が遅く、ライフがゲージ制で即死はしない為、何も分からずあっと言う間に終わったりはしない点は救いです。

そのまま理不尽な攻撃にも負けず何とかかんとかプレイし続けるうち、ふと思い立って右下のチェーンゲージに表示されるメッセージの通り行動していると、ようやくチェーンシステムが理解出来てきました。 (細かい事は攻略ページにて。) するとゲーム性が一変します。 パワーアップが安定し始め、敵機や地形の配置もそろそろ覚えてきた所で、「これはそこそこちゃんと 1980年代を継承しつつ画面が綺麗になったそれなりにおもしろい作品なのではないか?」と思い始め、

  • こってりした地形有り
  • 激しい空中戦有り
  • パターンさえ作れば乗り越えていける仕掛け
  • 結構ドラマチックな場面展開の数々
  • どこかで見た様な元ネタ満載

等に、うっかりすっかり飲み込まれてしまいました。 BGM も期待通りで、ある程度根気よく真面目にプレイすれば好い緊張感が味わえ、最終的には「初回の LIMITED EDITION であればまあ元は取れた」と思える評価に落ち着いています。 スルメと言うよりはメザシの様なゲームかな。

オマージュだかパクリだかの元ネタ推測

パワーアップシステム

チェーンを繋がないとどうにもならない辺り、「レイディアントシルバーガン」の香り。複雑さは控え目だが、理解し難さと面倒臭さは同程度。

衛星オプション

これは「サンダーフォース」なんじゃないかなぁ…。

1面の背景

ダライアス外伝「Y ゾーン(ジャングル)」「A・Z ゾーン等(廃墟都市)」。ジャングルは他にも「パルスター」や「サンダーフォース」等、類似例が多いので言い切れないが、廃墟都市は色彩と雰囲気からするとおそらく当たり。ザコ敵機の動きにも面影が有る。

1面ボス(IMMOLATOR BX-Ⅴ)

1面全体がダライアス外伝ならば、こいつは ZONE B ボスの "ANCIENT DOZER" と見るべき?

2面全体

「R-TYPE」シリーズのごちゃ混ぜに見える。これも類似例が他にも多数あるので、確定ではない。

2面の敵配置

光球(PLASMABOLT)にうろうろされると「サンダーフォース」シリーズの香りがしてくる。

2面ボス(GOLGATOR)

「沙羅曼蛇 2」1面ボス "バイター"か?口から出てくる蜂は、喉の辺りまで出て来そうなのに思い出せないがほぼそのままの物が在った(首領蜂シリーズ?)。上からドリルが降って来る点は、単なる定番。

3面 2エリア

「グラディウスⅤ」5面。BGM に使われている音色が該当ステージ や後期の「グラディウス」のそれと微妙に似ているのも、偶然とは思えない。

3面 3エリア

宇宙系のメカニカルな背景は「グラディウス」シリーズに多い。このステージ全体が「グラディウス」風味か。

4面開幕

横スクロールでこの展開は、在りそうに見えて意外と少なかった。

4面ボス(WINDGIST)

「ファンタジーゾーン」6面ボス "ウィンクロン" と「沙羅曼蛇」2面ボス "テトラン" の合体か。攻撃方法にはオリジナリティが結構有る。

5面 1エリア背景

「グラディウス外伝」3面、「サンダーフォースⅢ(クロス)」水惑星等。但し、この手の演出を最近の技術で真面目に行われた例は無いので、パイオニアだとも言える。

5面 3エリア背景

このワイヤーフレーム化は、「レイディアントシルバーガン」2E面よりは「R-TYPE FINAL」5.2面と「サンダーフォースⅤ」最終面。

5面 3エリア蛇行しながら大挙してくる白いトゲトゲ(CRYSTALLINE)

「R-TYPE FINAL」F-A面の "シュトム" "アデン" "グアニム" の群そのもの。

5面 3エリア大量のマイナス効果アイテムによる罠

何か在った気がするが思い出せない。

5面ボス(PTOLEMIOS)

ナ、「NIGHT RAID」かな(エー。普通に考えれば、「R-TYPE FINAL」からと思われる部分が多いので、5.2面ボスの "グリッドロック" ぽくはある。

豆知識

"Söldner" は、ドイツ語で "傭兵" "兵士"。

ゲーム設計的に改善すべきだろうと思う所

基本的な設計

  • チェーンゲージオーバーフロー時より、チャージ成立時に効果音を出すべき。
  • 残機追加とライフアップ時の効果音は、専用の物を用意する。
  • 2面の見え難い地形は、雑魚機の動きで判らせる対策をもっとハッキリとさせる。
  • 現状ではミサイルがシステム的にほぼ死んでいる。ミサイルの照準移動を早くするか任意操作化、若しくは威力を下げて出現数を増やして専用ボタンで撃てる様にする、等が考えられる。
  • ショックウェーブの効果範囲を爆発の見た目とちゃんと合わせた上で、もっと広く。陜い範囲だけでも敵弾を消す効果か、一瞬の無敵時間も欲しい。
  • 初期のプレイで表示されるチュートリアルは親切に書いてあると思うが、プレイ中にほぼ 1回づつしか出ないのでは意味が薄れてしまう。チュートリアルをまとめたモードが在れば、なお好感度 UP。
  • 標準ではキーコンフィグが付いていなかった。ダイレクトな装備選択がキーボードでしか出来ないのは辛い。
  • 固定でアイテムを出す敵機の色分けは、もっと判り易く。
  • ファーストショットや衛星オプション等の時限アイテムには、それを示すゲージか効果切れ前のアラートが必要。

点数設定面

  • 撃墜数と点数が直結するタイプのゲーム性なのに、ステージが進む程破壊得点やアイテム得点が跳ね上がるので、前半ステージの稼ぎの重要度が下がっている。点数はもっとシンプルな設定に。
  • チェーンを重ねると繋がり難くなってくるシステムなら、繋げる事が点数か何かにならないと意味が無い。連続で死んだら終わりのシステムでもあるので、何となく趣味と道楽でチェーンを狙っているだけになってくる。分母が 9 のチェーンを溜めるのは非常に困難なので、復活の事を考えると、特定のアイテム以外を狙う時以外はチェーンを成立させずにレベルを据え置いておく方が有利なのか?ここに、システムの矛盾が有る。
  • 点数 2倍アイテムは、敵機撃墜時のランダムアイテムで出現させては駄目。
  • 余剰アイテムはボーナス得点にする。

ゲーム難易度バランス面

  • 「グラディウスⅣ」的な意味で、ちょくちょく設定されている敵機の無敵時間が気になる。自機の無敵時間はほとんど無いのに…。
  • ボスは頭を使えば速攻が可能な方が、この手のシューティングには向いている。1面ボスの接近攻撃潰しは、極めて兇悪かつ理不尽過ぎるので全く不要。2面ボスの回避不可能パターンや面倒な倒し方の癖に高過ぎる耐久力も問題。タイムオーバーしたらゲームオーバーになる仕様にしている場合ではない。
  • ゲームがランダムアイテムに左右され過ぎ。固定アイテムをもっと的確に配置するべきだし、マイナスアイテムがランダム発生するのも好くない。
  • 1 〜 4面の復活アイテム量が渋過ぎる。
  • 機雷系の挙動改善。自機ショットの当たり判定を付ける(破壊は出来ても出来なくてもどっちでも構わない。出来ない場合は専用のレスポンスと音で見分けを付ける)、爆発パターンを明らかにそれと判る専用の物にする、反応直前の距離になったら光るリアクションを付ける等の方法が考えられる。
  • 3面の隕石が高速で広範囲に飛び散り過ぎ。もう少し堅くして、飛び散りを穏やかにする。
  • 5面 3エリアトラップゾーン後の雑魚ラッシュで、もっと実用的なアイテムを大量に出して救済し、その代わりに 5面ボスをもっと派手に暴れさせると印象が変わるはず。武器破壊と武器シールドの出現数バランスを取るか、武器破壊アイテムを減らして即死アイテムを増やすかの方向性も在り。
  • 4面ボスの眼前に接触判定が無いのは矛盾し過ぎ。それで物凄い速攻が可能な訳ではないので、ウィンクロンの様にちゃんと自機には腕から逃げる様に回らせるべき。

演出面

  • 変にポリポリさせず高解像度の中にしっかり描き込んだグラフィックで、メリハリの有る場面転換を行ったり、自機のレドームが回転していたり、降雨シーンで画面に水滴が付く様な演出をしたり、滑らかで関節に無理の無い動きをする 2面ボス、派手な動きと変形で翻弄してくる 4面ボス等、かなり頑張ってリソースを注ぎ込んだ跡が見える。
  • しかし、それでも効果音や動きが非常に不足している。
  • ボスの大掛かりな攻撃には、予兆や行動中に全て何らかの演出が欲しい。インスピレーション元であろう「ダライアス外伝」と似ているが、あれは一種の悪い例でもある。1面ボスの主砲ミサイル、2面ボスの火炎放射やドリルの落下直前、3面ボスのハッチ開閉とザコ放出、4面ボスの爪の展開や吸い込み、5面ボス全体的に等。
  • 今時にしてはオブジェクトのスケーリングを無視し過ぎ。1面の小さ過ぎる飛行船と自機と同じサイズの羽虫(メカ羽虫ならもっと大きくすると好い)、3面の星々が密集し過ぎて距離感の無い背景や戦艦としては小さ過ぎる上に移動がやたら速いボス、現状でも十分なインパクトがある 4面ボスだが、これもデモで「こんなに巨大な船が存在するのだろうか」と云う位であれば、いっそ「G ダライアス」の "EIGHT FEET UMBRELLA" 程度のスケーリングに。
  • 最終ボスには専用曲を。CAVE 等のそんな所は真似をしなくても結構。

有っても無くてもどっちでも

  • 全体的なバランス取りは、それほど問題だとは思っていない。設計が所々変なだけ。むしろよくやった、感動した。
  • 最近のマシンならそうそう処理落ちしない辺り、「R-TYPE FINAL」より偉い。
  • ダメージ量が数値で見えるシステムは、戦略の練り込みに役立つので良評価。同じ敵に同じ攻撃をしているのに、何故か数値が変わったりするが…。
  • 4面の雑魚ラッシュは、最近の設計だと出現位置にアラートを出すだろうけど、そこまで親切でなくても構わないかな。
  • 復活時の多少の耐久力補正やランク変化は、まあこのままでもいいか。
  • バーサクモードでの BGM 固定化が気になったのは最初だけで、慣れてくると丁度好いアラートになった。ブザー鳴りっぱなしだと鬱陶しいし、全く何も無かったら逆に困りそう。
  • メニュー上のカーソル移動がループしないのはどうか。
  • スコアアップロードのキャンセルがほとんど効かないのはどうか。
  • その癖、同じ人の同じ難易度のスコアがずらずらと並ぶのはどうか。
  • 体験版が在れば好かったけど…まあね、うん。