月見酒(MINT's World)

解説

新造の PhenomⅡ 940 機の消費電力が想定よりもあまりに大きく、その原因の一つに適当に手持ちから流用したバルク電源の効率の悪さが疑われました。 最近電源効率の指標として 80 PLUS が流行しており、「その認定は実際どうなの?」と云う疑問を晴らすためにも、手持ちのパーツで適当に実験してみることにしました。

と言っても、腑分けして使用部品をチェックする訳でも、電圧の安定性について逐一調べるでもなく、極々単純に

  • 待機消費電力(PC 電源オフ、主電源オン)
  • Windows 起動後アイドル状態の時の消費電力(デスクトップが表示されて HDD アクセスが落ち着いた後の平均値)

について調べます。 これは単にめんどくさいのも有りますが、今回の主題は消費電力であり、家庭で普通に使う PC はほとんどがアイドル駆動状態であるため、そこだけ調べられれば構わないと云う判断による物です。

使用機材

ベースマシン

すぐに電源を組替えられる物がこれだったので。

電源
Owltech(Seasonic)「S8 SS-400ES」

自作四号機電源。

Owltech(Seasonic)「M12 SS-500HM」

今回の話のために新規購入。

Antec「NeoPower Neo HE 550」

Antec「SONATA Plus 550」附属。

Lead Year「TIGER POWER TG-6380」

NEC「Express 5800/110Gd」附属。

Abee「AS Power ER-1480A

自作三号機電源。

Dempsey「DPS-400CA

UAC「UACC-VA4401B」附属。今回の話の種になった電源。

測定機
  • サンワサプライ「ワットチェッカー TAP-TST5」

測定結果

価格は、現行品はベストゲートでの 2009年2月9日時点での価格。 終息品については、主に販売されていた頃の情報に基づく推測値。

メーカー品番待機時消費電力アイドル時消費電力定格電力規格80 PLUS平均価格状況
Owltech(Seasonic)S8 SS-400ES 2W76W400WATX12V Ver.1.3(EPS12V ライン有り)Standard11,581円メインとして 1年間利用
Owltech(Seasonic)M12 SS-500HM 1W83W550WATX12V Ver.2.2 & EPS12V Ver.2.91Standard18,387円新品
AntecNeoPower Neo HE 550 1W77W550WATX12V Ver.2.2 & EPS12V-15,929円新品
Lead YearTIGER POWER TG-6380 1W83W380WATX12V Ver.1.3(推測)-サブとして半年間利用
AbeeAS Power ER-1480A 4W79W480WATX12V Ver.1.3-12,000円程度サブとして 3年間利用
DempseyDPS-400CA 5W86W400WATX12V Ver.1.3(推測)-3年間使わず放置

なるほど。

まず待機電力を見ると、設計の時期でハッキリ分かれている事が分かります。 Abee「AS Power ER-1480A」は 2004年12月発売の製品ですし、Dempsey「DPS-400CA」も同時期のケース附属電源ですから、同じ様な物でしょう。 Qwltech「S8 SS-400ES」は、電流値で見ても倍程度の値になっており、若干食う癖が有る物と考えます。

一方アイドル時の消費電力ですが、まず最大 10W の差が有る事に驚きます。 アイドル 10W を他のパーツで削減しようとすると低消費電力を目指すマシンでは相当大変であるため、これはとても無視できない値です。 やはり流用した Dempsey「DPS-400CA」は、自作五号機の消費電力を押し上げていた事がはっきりしました。

また、期待外れの値を出しているのが交代要員として購入した Owltech「M12 SS-500HM」。 80 PLUS の認定は、おそらく何らかの基準出力時での効率を参考にしていると思われるので、負荷の掛かり方に依っては効率が変動している事は大いに有り得ます。 実際に自作五号機に移植しても Dempsey「DPS-400CA」との差は 3W である事から、もっと高い負荷での効率が高いのではないかと思われます。 唯一デュアルファンであるハンデは、そうは云っても 6cm ファン一基である事から、おそらく 1W 未満。 冷却効率の面で「Express 5800/110Gd」のケースと相性が良いので、これはこれで使える電源なのですが、少しがっかり。

Lead Year「TIGER POWER TG-6380」も、腑分けした時の観察からするともう少し頑張るかと期待していましたが、サーバー用途向けであるため、低負荷での効率よりも高負荷での安定性が高い電源なのかもしれません。

Owltech「S8 SS-400ES」のトップは流石ですが、健鬪したのは Antec「NeoPower Neo HE 550」と Abee「AS Power ER-1480A」。 前者は、ケース附属ながら仕様自体は「M12 SS-500HM」並。実質、Antec「SOLO」ケース単体との差額 7,000円弱で購入できているため、かなりの掘り出し物かもしれません。 後者は、設計時期が古いにも関わらず実使用時でのまずまずの効率を発揮できる点で、当時としてはこの面でかなり優れた設計だったと思われます。

まとめ

電源に因って、大きく消費電力が変わる事が分かりました。 80 PLUS 認定の有無でどうなるかについては使ってみないと分からず、定格電力と消費量比もバラバラになる様です。

一箇月程度のトータル消費電力を測ると、もう少し実態に近いデータになると思いますが…まあこれでも十分参考にはなるでしょう。 AC アダプターにするともっと落ちるとの話も有りますが、自作三号機なら検討しても構わないかもしれません。

2009年2月9日
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